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5月, 2026の投稿を表示しています

社員行動監視で満足しているのは経営者だけとデータは言っている

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  トイレ休憩も感情も「常に見られている」 コロナ禍以降のIT監視で病む社員 現場を管理するITの進化で、従業員の感情まで把握可能になった。精神的に追い詰められ、従業員が相次いで倒れるケースも米国の一 business.nikkei.com 序章|行動監視ツールは日本企業に本当に必要か 新型コロナ禍以降、多くの企業でアルゴリズム管理ツール、いわゆる 行動監視システム の導入が進んだ。ウェブカメラの常時起動、キーボード入力頻度の追跡、タスク完了件数の自動集計、そして感情分析まで。 これらは「生産性向上」と「適正管理」の名の下に広がっている。 筆者は当初、 「会社は利益を追求する存在なのだから、このような管理はやむを得ない。合わなければ辞めればよい」 と考えていた。 しかし、さまざまなデータと日本での労働環境を検討するにつれ、その前提が大きく揺らいだ。 本稿では、感情的な非難ではなく、ビジネス視点で冷静に検証する。 日本企業にとって、この行動監視は本当に有効なのか。 第1章|日本には元々「緩やかな監視社会」が成立している 日本社会は、古来から独特の監視システムを内在化してきた。 「同調圧力」 と 「空気を読む」、「和を以て貴しとなす」 という文化である。 これらは目に見えるルールではなく、暗黙の視線と相互監視によって人を緩やかに、しかし確実に縛る。 成果を明確に数値化せず、 角が立つ前に組織に取り込む 手法は、日本企業の管理の基盤となってきた。 一方、 欧米は個人主義が強い ため、そうしたソフト監視が成立しにくい。だからこそ 「見える化」「数値化」 というハード的システムで管理せざるを得なかった。 日本においては緩やかな監視が長らく機能してきたからこそ、デジタルによるビビッドな行動監視には強い拒否反応が生まれる。 明確な「態度や言葉」ではなく「空気」で誘導する。 日本社会の根底にあるものと、デジタル監視は相性が悪い。 まずはこの「すでに存在する緩やかな監視」との相性を真剣に考える必要がある。 第2章|実はエビデンスが弱い「行動監視」 果たして、行動監視ツールが本当に生産性を高めるのか。 実は、データは期待を裏切るものが多い。 表1 行動監視ツール導入をめぐる認識ギャップ 企業側と労働者側の認識ギャップは極めて顕著 であり、企業側が見ている「管理しやすさ」と、労働...

メールマナー程度でマウント取るなよ、古臭いしカッコ悪い

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  Z世代大学生の「意外な一言」で教授が動揺… "メールを使えぬ若者"の実態 企業も研修の機会を設ける必要があるだろう SNSが主流となった現代、大学生の約2割がほとんどメールを使わず、基本的なファイル添付やビジネスマナーも身に付けていない事 toyokeizai.net 序章|「若い人はメールもできない」というマウントはおなか一杯 今回のコラムは、少しいつもとは違う視点から始めたい。 元記事では 『「メールにファイル添付」ができない大学生』 として、Z世代のメール経験不足が描かれている。 筆者は成蹊大学特別客員教授でありITジャーナリストだけに、そうした印象を強く持つのだろう。 確かに現象として、Z世代のメール経験不足は事実だ。コミュニケーションで使うツールとしてメールの割合は21.6%止まりで、「メールほぼ未経験」が4割超という調査結果もある。 しかし本稿で取り上げるのはそこではない。 Z世代のメール経験不足を指摘する態度そのもの だ。 「私が教えてやろう」「我々世代が教えなければ」という上から目線のマウント が、記事全体からにじみ出ている。 これはメールに限った話ではなく、上司から部下へ、中堅から若手へ日常的に繰り返される マウント文化の典型 であり、ビジネス社会における ハラスメントの温床 である。 本稿では、このマウントの危うさを明らかにし、真に成果を出すための「共有型マネジメント」を提示する。 第1章|メールは「その時代の最適解」に過ぎなかった メールがビジネス通信の主役だった時代は確かにあった。私たち世代が社会人になった頃、メールは最もフォーマルで記録性の高いツールだった。 しかしそれは、 その時代の最適解に過ぎない。 Z世代にとってLINEやInstagram DM、AirDropが日常の通信手段だ。ビジネスチャットが普及し、生成AIが文章を瞬時に生成する今、メールはその役割を自然に縮小させつつある。 現時点のメール業務負荷(2025年調査まとめ) メール対応はまだ重いが、作成フェーズはAIにより 劇的にチープ化 している。1通に5〜10分かかっていた作業が数十秒で下書きできる時代になった。 この流れはメールだけではない。 管理部門では、かつてExcelファイルが散在し、議事録はWord、進捗はTeams、顧客情報は別システムと情...

「上司ガチャ」は多少あっても、せめて評価基準は統一してくれ

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  吉野家HD会長「わたしの直部下はなかなか昇格させない」…周囲から「いい加減上げてやれ」と声が上がるまで待つ、深い意図 | ゴールドオンライン 序章|えこひいきも「逆」ひいきもゴメンだ 吉野家ホールディングス会長・河村泰貴氏は、自身の著書でこう断言した。 「過去にわたしの直部下になった人は、昇給、昇格が遅かったと思います。・・・本当にもうこの人は大丈夫だと思えるまで、具体的には、周囲の人から「もういい加減上げてやるべきじゃないですか」という声がかかるまでは、昇格させないようにしてきました。」 ゴールドオンライン 表向きは「教育重視」「将来もっと稼ぐ力を身につけてもらうため」という美名だ。 しかし実態は極めて残酷である。 自分の直属部下だけに適用される特別ルール――いわば「逆ひいき」だ。 同じ成果を上げていたとしても、上司が誰かによって昇格のタイミングが大きく変わる。 これは単なる一企業の話ではない。日本企業に根深く潜む「上司ガチャ」という人事病の典型例である。 第1章|人事はそもそも属人的だから、せめて基準は統一であれ 吉野家会長は「将来もっと稼ぐ力を身につけてもらう」「教育費>直接人件費」と言及している。 それは一見すると、長期視点の美しい社員育成哲学に見える。 しかし、社員教育投資の充実が、「自分自身の直部下だけ人事評価を厳しくする」ことの正当な理由にはなり得ない。  会社全体で人事の在り方として共通しているのであれば筋は通っている。 極めて難しい人事基準が全社的に設定されている、ということだからだ。 しかし、会長の部下という一部社員だけなのであれば、それは 単なる人事不公平、偏り でしかない。 人事評価は上司が行う限り、属人的にならざるを得ない。 だからこそ、そ の基準だけは全社的に統一しなければならない。 直属部下だけが昇格を遅らされる「逆差別」は、機会の平等を根本から損なう。 第2章|部下の人生がかかるマラソンのゴールをずらすな 会社勤めは マラソン に例えられる。 ゴールは全社員共通で 42.195km 先のはずだ。 それなのに、ある上司の下では41kmでゴールでき、ある上司の下では43kmを走らされる――そんなレースが成立するはずがない。 同じ仕事・同じ成果だとしても、上司が変われば昇格タイミングが変わることを知り、部下はすぐに学習する。 「...