「嘘をつく会社」も「会社に頼りすぎの社員」も不要だ
「入社1日で退社する若者」が持っておいたほうがいい視点を養老孟司さんが語る | デイリー新潮 五月病という言葉はもはや過去の遺物なのか、4月早々、退職を希望する新入社員が数多くいることが話題になっている。… www.dailyshincho.jp 仕事とは何か──信頼契約としての労働関係 仕事とは、企業と労働者が相互に信頼を前提とした契約関係によって成り立っています。企業は「貢献してほしい」という期待を、労働者は「報酬ややりがいを得たい」という希望を持ち、両者の合意で成り立つものです。 しかし現実には、採用段階からこの信頼が崩れているケースが多く見られます。職務内容が曖昧なまま採用される、日本企業特有の「配属ガチャ」はその象徴です。 採用は「方向性」と「誠実さ」が鍵 仕事選びは、東京駅から新幹線に乗るようなもの。完全な理想通りでなくても、大まかな方向性が合っていれば、目的地にはたどり着けます。上越から東北、そして北海道へ──その過程がキャリアです。 ところが日本の採用は、「とりあえず乗せる」「入社後に考える」といった不透明な方法が常態化しており、若者の方向性を無視して信頼を損ねています。入社早々に辞めたくなるのは、当然の帰結とも言えるでしょう。 最初の一歩で信頼を損ねると継続は難しい 企業が求人で提示した内容と実際が大きく異なる、労働条件が後出しされる、説明会での言葉と現場での現実が乖離している──こうした採用の不誠実さは、もはやミスマッチではなく 契約違反 です。 労働者側が「辞めたい」と感じるのは自然な反応であり、責められるべきではありません。 キャリアは与えられるものではない 一方で、労働者側の課題も見逃せません。「理想と違ったから辞める」「やりたいことができないから辞める」といった反応が、自己責任の欠如と捉えられる場合もあります。 方向性が合っているなら、自ら活かし、伸ばしていく努力が求められます。企業が与えた環境を「どう使うか」は、個人の成長意欲と姿勢にかかっています。 採用活動に必要な「ニーズの明文化」 良い採用とは、「このポジションで、こういう役割を果たせる人が必要だ」という 企業の明確なニーズ に基づいて行われるべきです。 しかし現実は、「優秀そうな人をとりあえず囲う」「配属はあとで考える」といった姿勢が目立ちます。これは、企業側が自社の...