「部下の離職は給料のせい」という上司こそが離職原因そのものである
離職の原因トップ3「給料が理由」は意外と少ない 「部下が離職は給料のせい」と言う上司の真意 | リーダーシップ・教養・資格・スキル | 東洋経済オンライン
管理職の任命責任と降格の仕組み──「部下の離職は給料のせい」と言い訳する上司たち
「部下が辞めるのは給料が低いから」と語る管理職は多いが、厚生労働省の統計によれば、離職理由の上位は「労働条件の悪さ」や「職場の人間関係」であり、給料だけが主因ではない。管理職自身のマネジメント能力不足が見逃されているのが実態だ。
問題なのは、こうした適性に欠ける管理職が温存されている点である。日本企業では一度管理職に昇進すると、明確な問題があっても降格されることが稀だ。この結果、組織は硬直化し、離職の連鎖を生む。
しかし、日本の労働法制下でも、適切な制度設計を行えば降格は可能だ。実際、1998年のソニー事件では、就業規則に明確な降格基準があり、公正な評価制度が運用されていたことから、降格が適法と判断されている。
一方、降格が違法とされたケースでは、
基準が不明確
恣意的な判断
極端な給与減額
といった問題が共通していた。降格を適法に行うには、基準の明示と公正な運用が不可欠である。
適正な降格制度を設計するためのポイント
① 降格基準を就業規則に明記する
部下の定着率、業績、ハラスメント有無など、客観的な指標を設定し、恣意性を排除する。
② 給与減額を極端にしない
基本給は維持し、管理職手当の廃止など軽微な減額に留めることで、不利益変更とみなされるリスクを減らす。
③ 降格後の適切な配置を確保する
降格=キャリアの終わりではなく、「専門職」や「育成担当」などへのポジティブな配置転換を行う。
降格制度の悪用リスクと防止策
注意すべきは、年配者整理の道具として悪用される危険性である。企業が年齢に依存した選別を行えば、年功序列の崩壊後、受け皿のないまま多くの年配者が放り出される。
これを防ぐためには、
✅ 年齢に関係ない客観的基準の設定
✅ 降格後の適切な再配置とキャリア支援
✅ 降格理由の説明責任
が必要である。
結論:企業の暴走を防ぎつつ、管理職の適性評価を制度化すべき
✅ 「給料のせい」と言い訳するだけの管理職の温存は組織を蝕む
✅ 適性のない管理職は降格すべきだが、公正な基準に基づくべき
✅ ソニー事件も示す通り、適切な運用をすれば降格は合法
✅ 企業の恣意的運用を防ぐため、透明な制度設計が不可欠
「管理職は適性がなければ降格する」仕組みと、「降格後も成長機会を提供する」体制の両立が、日本企業の未来を左右する。
詳しく読む↓
管理職の任命責任と降格の仕組み——「部下の離職は給料のせい」と言い訳する上司たち(2025.3.4)
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モチベーション至上主義の限界と、システムで回る組織の強さ(2025.2.27)
「増えない給料」の真因と日本経済の停滞を生む構造(2025.2.26)

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