人真似企業は応募者にとって魅力が無いし見限られる
「推し活制度」の流行に企業が学ぶべきこと
最近、「推し活休暇」や「推し活手当」など、ユニークな福利厚生が話題を集めている。従業員の“推し活”を積極的に支援する企業の中には、若年層の応募が増えたり、定着率が改善した事例も報告されている。
だが、こうした事例を単に「成功の型」と捉え、「うちでも真似しよう」と表面的に制度だけ導入する企業には、大きな落とし穴がある。
重要なのは、制度そのものではなく、その制度がどんな問いと思想から生まれたかである。
制度の背景にある「問い」こそが価値
推し活制度が評価されたのは、そのネーミングや新しさによってではない。
なぜ若者が定着しないのか?
どんな価値観が今の働き手に響くのか?
幸せに働いてもらうために、企業は何ができるか?
これらの問いに真正面から向き合い、結果として制度化されたのが「推し活休暇」だった。
つまり評価されたのは制度そのものではなく、制度を生み出した企業の姿勢や思想である。
「思想→制度→共感→応募」という流れ
優れた採用戦略は、以下の流れをたどる:
思想:企業として何を大切にするかの明確化
制度:その思想を制度として形にする
共感:それに共感した人が集まる
応募・定着:ミスマッチが少なく、定着率が高まる
この順番が逆になると、「制度はあるが文化が追いついていない」状態となり、かえって信頼を損なう。
模倣はバレる時代
今はSNSや口コミサイトで企業の“内側”が可視化される時代だ。
「形だけで使いづらい」
「実際は風土が追いついていない」
「他社の真似をしてるだけ」
こうした実態は、元社員や現役社員の発信によって一瞬で拡散される。制度の模倣は、信用の失墜につながりかねない。
制度は「自社に合った設計」が命
他社の成功事例をそのまま持ち込むのではなく、自社に合った制度をゼロから設計する姿勢が求められる。
離職の多さに悩む企業なら「心理的安全性」の整備が先かもしれない
若手の意欲に課題があるなら「副業」や「学び直し」支援が響くかもしれない
「推し活休暇」が正解なのではなく、「うちの会社で働くことに、どんな意味があるか」を丁寧に考える姿勢こそが、制度の根幹である。
思想がある企業に人は集まる
応募者は企業の制度そのものよりも、その背景にある思想・スタンスを見ている。
「この会社は、自分の人生を肯定してくれるか」
この問いに対して、制度を通じて誠実に答えている企業に、人は自然と集まり、自然と定着していく。
結論:制度ではなく“姿勢”が試されている
制度は戦術、思想は戦略。
制度を導入すれば人が来るのではなく、思想に共感されるから人が来る。制度に魅力があるのではなく、思想に魅力があるから制度も支持される。
これが、流行に踊らされる企業と、選ばれる企業の分かれ道だ。
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「推し活休暇」を真似るだけの企業は失敗する|“思想”の人材戦略(2025.7.11)
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