「外国人労働力が必要だ」と叫ぶ経営者が一番外国人を差別している
外国人労働者に頼る企業が見落としている構造リスク──技術がもたらす“淘汰”の時代に
「人手が足りない」。
そう嘆き、外国人労働者の採用に走る企業が増えている。
バス、介護、建設、飲食などの現場は確かに人材難だ。
だが、それは本当に「人がいない」のだろうか?
実際には、日本人が集まらない理由は明白である。
賃金が低く、労働環境が悪く、将来性もないからだ。
にもかかわらず、「外国人ならやってくれるだろう」と考えるのは、経営の責任を放棄した思考停止に過ぎない。
■ 問題は「人が来ないこと」ではなく、「来たくなる職場をつくっていないこと」
日本人が働きたがらない職場が存在するのは事実だ。
だがそれは労働者の“わがまま”ではない。
過重労働、低賃金、不安定雇用──そんな職場が敬遠されるのは当然だ。
企業側がすべきは、「なぜ来ないのか」を真剣に見つめ、待遇と仕組みを改善することだったはずだ。
ところが実際には、非正規雇用化とコストカットによって人材流出を自ら招き、その穴を外国人で埋めようとしている。
■ 問題構造の整理(表)

■ 技術進化は、「人がいないから外国人を入れる」という発想を時代遅れにする
外国人労働者に頼っている間にも、現場では技術革新が静かに進行している。
配膳ロボットや注文タブレットによる飲食店の省人化
セルフレジ、無人店舗の導入
自動運転バスやトラック、オンデマンド交通
建設現場での無人建機、遠隔施工管理
コールセンターのAIチャット対応やIVR
これらは一時のブームではない。労働力そのものを前提としない構造への転換である。
■ 業種別 省人化の進展(表)

■ 呼び寄せた外国人が職を失ったとき、企業は責任を取れるのか
目の前の労働力不足を補うために外国人を呼び寄せ、
数年後に技術革新で「もう人はいらない」と言い出す。
ではそのとき、来日した外国人労働者の行き場はどうなるのか?
母国に帰れない
日本にとどまっても仕事がない
不法就労や地下経済に流れる
生活困窮・社会摩擦・治安不安が生まれる
これは単なる“人手の補填”ではない。未来に向けた社会的債務の積み上げである。
■ 必要なのは「外国人を集める」ことではなく、「人がいなくても回る設計」
経営とは、未来を見据えて仕組みをつくる行為だ。
業務設計の見直し
単価とサービス範囲の再調整
投資による省人化
人件費を吸収できる価格戦略の構築
これらを怠り、「外国人が来てくれるからいい」と問題を先送りにしている企業は、遠からず淘汰される。
淘汰は市場の正当な選別である。
改善も、改革も、投資も拒んだ結果として、自ら“存在意義のない事業”へと陥っていく。
■ まとめ:外国人労働者依存は、企業の責任逃れでしかない
外国人労働者を受け入れることが悪なのではない。
しかし、「外国人なら安く使える」「人がいないから仕方ない」と語る経営者の態度は、
30年間のデフレと労働軽視を積み上げた原因そのものである。
そして今、テクノロジーはその構造自体を乗り越えようとしている。
本当に必要なのは、“人が来ないこと”を嘆くのではなく、
“人がいなくても回る事業体”を創る覚悟である。
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