経営者の危機感が変わらなければ、給料を上げても欲しい人材は集まらない
「人手が足りない」と嘆く声が、さまざまな業界から聞こえてくる。しかし、その背景には単純な労働力不足ではなく、人が働きたいと思える職場を用意できていないという構造的な問題が横たわっているのではないか。
特に3K(きつい・汚い・危険)とされる業界においては、人材確保は長年の課題であった。それにもかかわらず、抜本的な環境改善を後回しにしてきた企業が多い。「若者の根性が足りない」といった責任転嫁の言葉は、時代錯誤と言わざるを得ない。
現代は、働き手が職場を選ぶ時代である。「来ない」のではなく、「来たいと思えない」だけなのだ。
【「報酬」だけでは人は動かない】
かつては高い給料を提示すれば人が集まった時代もあった。だが今や、報酬だけでは人は動かない。
安心して働ける職場
成長を実感できる仕組み
企業理念や仲間との共感
こうした“報酬以外の価値”を提供できるかが、採用力の鍵になっている。
【人材確保の工夫──「人を呼ぶ仕掛け」と「人に頼らぬ構造」】
求められるのは、「人が働きたくなる職場づくり」と「人に依存しすぎない業務設計」の両立である。
まずは「この会社で働きたい」と思わせる魅力を設計すること。
そして、少人数でも回るように業務を効率化・省力化すること。
これらが車の両輪のように機能して、はじめて持続可能な人材確保が可能になる。
【労働搾取モデルからの脱却】
現代社会では、労働搾取型の経営に対する視線が非常に厳しくなっている。
過度な長時間労働
不当に安い賃金
安全性や人権を軽視する労働環境
こうした企業は、日本人からも外国人からも見放され、社会的にも淘汰されていくことになる。
一方で、労働者に適正な報酬と環境を提供しようとする企業には、人が自然と集まり、定着していく。
【収益の使い方に現れる企業の思想】
利益をどう配分するか──そこに企業の思想が如実に表れる。
単に株主利益や経営者報酬に偏る企業は、人材からの信頼を得られない。
一方で、環境改善や新たな福利厚生に再投資する企業は、人を引き寄せる力を持つ。
この違いが、3K業界のような人材難業界では特に顕著に現れている。
【代表的な補助金制度(概要)】

これらの制度は、人手不足に苦しむ企業こそ活用すべきである。
【自動化と選別──2つの視点を同時に】

この2つは排他ではない。同時に進めることで、持続可能な雇用モデルが実現する。
【結論】
時代は変わった。
「人が足りない」と嘆く前に、「人が来たくなる努力」をしたかを問うべきである。
「来ない」のではなく、「選ばれていない」だけである。
そして、労働搾取的な姿勢のままでは、企業は淘汰されていく。
経営者に求められているのは、変わる覚悟と、未来に向けた構造改革である。
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経営者の危機感とアイデアが変わらなければ給料を上げても人材は集まらない(2025.7.28)
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